倫理網領
私たち王慈福祉会で働くすべての者は、認知症などの疾病や障がいによって自立した生活が困難になった方々が安心と尊厳のある生活を守ることができるよう力を尽くすことに、使命感と誇りを感じています。この方々は自分で自分を守ることが難しくなっておられます。また、介護サービスは、ご利用者のプライバシーを守るため、人目に触れない形で提供されるという特性を持っています。それだけに、働く私たちは常に公正でなければならないと自覚しています。
私たちはご利用者の利益を守ることを第一に考え、自らの行動の規範として以下の倫理綱領を守ることを誓います。このことは、ご利用者の安心と尊厳のある生活を守ると共に、法人の施設やセンターに対する社会の信頼感を高め、ひいては法人の社会福祉事業の存続と発展に資するものと信じます。
認知症などの疾病や障がいをもつことになっても、住み慣れた町で普通の生活を続けることができる施設やセンターが、多くの地域で生まれ、明るい長寿社会、障がい者にやさしい地域づくり、居場所づくりに役立つようにしたいという私たちの夢が実現することを心から願っています。
王慈福祉会の施設やセンターは、認知症などの疾病や障がいによって自立した生活が困難になった方々に対して、安心と尊厳のある生活を営むことを支援するためのものです。それは、家庭的な馴染みのある環境、少人数の親しみのある人間関係、あるがままを受け入れる温かい雰囲気、それまで慣れ親しんできた生活の継続と残された能力をできるだけ活かした生活の組み立てによってもたらされます。
ご利用者の皆様には、疾病や障がいについての正しい理解および介護サービスについての専門的な知識と技術を持つ職員チームによって、一人ひとりの状況と希望に合わせた適切な介護サービスを受ける権利があります。私たち王慈福祉会は、ご利用者が当然持つものとして、下記の権利を尊重し守ることを誓います。また、利用者とその家族が権利を行使することによって、いかなる不利益を受けることがないことも併せて宣言します。
倫理綱領
- 私たちは、利用者を個人として尊重し、プライバシーを守り、安心と尊厳のある生活を実現するよう努めます。
- 私たちは、利用者が主体的な決定を行えるよう支援し、その決定を尊重します。
- 私たちは、利用者が安らぎと自信を感じることができ、かつ安全と衛生が保たれた環境で生活ができるよう援助します。
- 私たちは、利用者がその能力を最大限に発揮できるように努め、適切な介護を継続的に行うとともに、適切な医療が受けられるよう援助します。
- 私たちは、利用者が家族や大切な人との通信や交流がはかれるよう支援し、個人の情報を厳重に守ります。
- 私たちは、施設を地域に開かれたものにするとともに、利用者が地域社会の一員として生活することを支えます。
- 私たちは、暴力や虐待および身体的精神的拘束を行いません。
- 私たちは、いかなる理由においても差別は行いません。
- 私たちは、苦情を前向きにとらえ、職員チームが一体となってより良いサービスにつながるように努力します。
- 私たちは、この事業の社会的責任を認識し、介護サービスに携わる者としての研鑚に努めるとともに、健全な運営によってサービスの継続性を確保するよう努力します。
ご利用者の権利
- 独自の生活歴を有する個人として尊重され、プライバシーを保ち、尊厳を維持する権利
- 生活や介護サービスにおいて、十分な情報が提供され、個人の自由や好み、および主体的な決定が尊重される権利
- 安心感と自信をもてるよう配慮され、安全と衛生が保たれた環境で生活する権利
- 自らの能力を最大限に発揮できるよう支援され、必要に応じて適切な介護を継続的に受ける権利
- 必要に応じて適切な医療を受けることについて援助を受ける権利
- 家族や大切な人との通信や交流の自由が保たれ、個人情報が守られる権利
- 地域社会の一員として生活し、選挙その他一般市民としての行為を行う権利
- 暴力や虐待および身体的精神的拘束を受けない権利
- 生活や介護サービスにおいて、いかなる差別を受けない権利
- 生活や介護サービスについて職員に苦情を伝え、解決されない場合は、専門家または第三者機関の支援を受ける権利